高齢者の肺炎球菌ワクチン
- 2024年4月26日
- ワクチン
肺炎は日本における死亡原因の第5位となっており、成人の肺炎の約2~3割は、肺炎球菌という細菌により引き起こされます。この肺炎球菌は、肺炎だけでなく、血液の中に細菌が回ってしまう敗血症などの重い感染症の原因となることもあります。
この肺炎球菌による感染症はワクチンによって予防することができることから、65歳の方などを対象として定期接種が行われています(定期接種は生涯で1回のみ)。定期接種で使用するワクチンは「ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)」で、90種類以上の血清型がある肺炎球菌のうち、23種類の血清型を対象としたワクチンで、対象とする血清型の侵襲性肺炎球菌感染症の4割程度予防する効果があります(侵襲性感染症とは、本来は菌が存在しない血液、髄液、関節液などから菌が検出される感染症のことをいいます)。
このワクチンは有効性・安全性が確認されたものですが、副反応が生じることがあります。主な副反応には、接種部位の痛み、赤み、腫れなどのほか、筋肉痛、だるさ、発熱、頭痛などがあります。
定期接種は市区町村単位で実施されており、接種を受ける場所や費用については市区町村にご確認いただく必要があります。多摩市でも高齢者肺炎球菌予防接種が実施されており、一部助成されることで接種者の負担額は1,500円となっています(東京都の補助があるため令和7年3月31日までは1,500円となっていますが、本来の接種費用は4,000円です)。
定期接種の機会を逃してしまった方など、これまで予防接種を受けたことがない66歳以上の方で、これから任意接種として予防接種を受けたいという方もいらっしゃるかと思います。多摩市では、令和6年度に限り高齢者肺炎球菌任意接種事業を行っていますので、ぜひこの機会をご活用いただければと思います。